ジュニア/ユース アスリート養成ウィンターキャンプ2014
2014年12月20日(土)に横浜ゴム株式会社湘南セミナーハウスにて、 ジュニア/ユース アスリート養成ウィンターキャンプを開催しました。
キャンプ概要
日時 | 2014年12月20日(土) |
---|---|
場所 | 横浜ゴム株式会社 湘南セミナーハウス |
目的 |
1)自分自身を知ること、チャレンジドスポーツ・社会に関する様々なこと(現状・動向など)を知ることにより、将来に対する自分の指針を見つけ出す。 2)相互協力や自己の持つ無限の可能性を信じて活動することの大切さを学ぶことにより、自立心の高揚と積極的に社会参加できる人格形成を構築する。 |
講師 |
|
プログラム
ワークショップ
- ワークショップ ~自分の未来を創造しよう!~
講話
- 「アンプティサッカー(W杯)メキシコ大会」
(講師 アスリート 古城暁博) - 「アスリートとして・人として」
(講師 NPO法人バラエティクラブジャパン 代表理事 千葉 祗暉) - 「アスリートの心理について」
(講師 立教大学スポーツウェルネス学部教授 大石和男) - 「アスリートの身体について」
(講師 国立成育医療研究センター医師 上出杏里)
その他
- 保護者様や各企業様との(懇談)懇親会
- 車いす講座(シーティング、車イス修理など)
- ボランティアとしての介護・介助などの安全な方法やアドバイス
- ハード&ソフト面のインフラの改良等のアドバイス
- アスリート引退後の就職に向けた準備等のアドバイス
キャンプレポート

「アンプティサッカー(W杯)メキシコ大会について」
(講師 アスリート 古城暁博)
ウィンターキャンプ2014の先陣を切って、古城先生には足や腕を切断した選手がつえを使いながらピッチを駆ける「アンプティサッカー」のワールドカップ(W杯)メキシコ大会(2014年11月30日-12月7日開催)のことについてお話いただきました。「アンプティサッカーの知名度はまだ低い。国内のプレー人口はわずか70人ほど。練習試合をしたくても、メンバーが集まらない」というのが現状。「今大会は知名度を上げる絶好のチャンス。W杯で日本初の1勝を挙げ、有意義だった」と話す。サッカーをしていて一番楽しい瞬間は、パスがつながったときだ。「仲間と連携してゴールを決める喜びは、他の競技にはない感動がある。その楽しさは、障害があっても味わえることを多くの人に知ってもらいたい」。これからも情熱を胸に、世界に挑む。



アンプティサッカー日本代表選手 古城暁博氏
古城暁博(あきひろ)選手は、持ち味の力強いプレーで、ディフェンスとして14人の日本代表の1席を勝ち取った。沖縄県宮古島生まれで5歳のときトラックにはねられ右足を失う。「事故は物心がつく前のことだったので、片足がないことが当たり前だった」と、悩むことはあまりなかったという。中学卒業と同時に千葉県に移り住み、サッカーをやりながら、陸上競技も始め2000(平成12)年のシドニーパラリンピックに陸上男子100メートル走の選手として出場し8位入賞したが、サッカーに専念。アンプティサッカーと出会って以来、普及と活動に取り組む。

「アスリートとして・人として」
(講師 千葉 祗暉)
千葉先生には、ご自身のアスリートとしての経験、社会人としての経験を惜しみなくお話しいただき、参加したアスリート、保護者の方にも刺激をいただき、今日から使えるような様々な知識を教えていただきました。



NPO法人バラエティクラブジャパン
代表理事 千葉祗暉
元・車椅子陸上競技選手。1992年バルセロナ、1996年アトランタ、2000年シドニーと3大会連続でパラリンピックに出場。1998年の世界選手権(英バーミンガム)100m、1500mで銀メダル獲得。引退後は立教大学大学院コミュニケーション福祉学部で障害者スポーツを研究する。現在、「NPO法人バラエティクラブジャパン」代表理事として障害のある子どもたちの自立支援や、「ヒューマンデザインクリエイツ株式会社」代表取締役として障害者のためのインフラ整備などを手がける。

「アスリートの心理について」
(講師 立教大学スポーツウェルネス学部教授 大石和男)
今回は「目標設定」の方法とその活用策などを講話いただいた。これからアスリートとしてどのように進んでいきたいかなど、具体的に将来を想像しながら適切な目標の設定を行い、今日から具体的にどのような行動をするかなどを考えるきっかけを示唆していただいた。



立教大学スポーツウェルネス学部教授 大石和男氏
立教大学コミュニティ福祉学部スポーツウェルネス学科教授。医学博士。日本健康心理学会認定の指導健康心理士でもある。専門分野は、健康心理学、ポジティブ心理学。神経生理学および健康心理学を基礎に、健康やスポーツに関わる心理的要因について考察している。研究テーマは、「タイプA行動と生活習慣」、「スピリチュアルな価値観とウェルネス」、「首尾一貫感覚(SOC)とスポーツ」など。

「アスリートの身体について」
(講師 国立成育医療研究センター医師 上出杏里)
今回はアスリートとして「自身の身体を知る」というテーマで、「自立」「自律」というキーワードを用いて自己管理の方法や大切さなどを講話いただきました。



国立成育医療研究センター医師 上出杏里氏
義肢装具等適合判定医,障害者スポーツ医(日本障害者スポーツ協会公認),日本体力医学会健康科学アドバイザー,身体障害者福祉法第15条指定医,日本リハビリテーション医学会専門医,日本リハビリテーション医学会指導責任者,日本体育協会公認スポーツドクター。専門分野は障害者スポーツ、リハビリテーション全般(脳卒中リハビリテーション、小児リハビリテーション、がん・内部障害リハビリテーション、リンパ浮腫)。

テーマ
『自分の未来を創造しよう!』
参加者が2チームに分かれてワークショップを実施。それぞれが意見を出し合い、議論・検討し、意見を集約していくワークショップを講師やサポートスタッフがフォローしながら行いました。このワークショップは相手の話をしっかりと聞くことができる「ヒアリング力」、相手と話し合いながら自分の意見を主張することができる「交渉力」、自分の意見を論理的に、的確に伝えることができる「提案力」、自分の専門外のことでも努力する「前向きな姿勢」、そしてそれらを磨いていこうとする「向上心」を身に付けてもらうことが主目的です。また、各チームごとの発表では、「プレゼンテーション力」として、”自分たちが伝えたいことをどのように伝えるか”を学んでもらいました。今回のワークショップを通じて、アスリートとして、そして社会人として必要と思われるヒューマンスキルを身に付け、自分自身を知るきっかけになれば幸いです。






参加者(保護者)からの感想
- 親だけではできないアドバイスや指導をしていただけるので、是非次回も参加させたいと思います。
- 座学という一方通行の進め方だけではなく、ワークショップで自分の考えをまとめたり、仲間と意見交換したり、そして発表という場で「伝える」という経験が出来て本当に良い刺激になりました。
- 先輩アスリートのお話は大変参考になり、自分も他の人に伝えられるような選手になってみたいと思いました。
- 目標設定の大切さが分かりました。今までは大会に出て、その結果だけで判断していたのですが、これからは目標と結果の差をどうやって埋めていくかを考えながら練習をしたいと思います。
ご挨拶
今回、日本チャレンジドアスリート協会として第2回目のキャンプを実施させていただきました。今回も講話・ワークショップによって、参加者が将来に対する自分の指針を見つけ出し、相互協力や自己の持つ無限の可能性を信じて活動することの大切さや、そのプロセスに必要なことなど学んでいただけたかと思います。キャンプ後の参加者アンケートでは前回にも増して好評をいただき、これからも新たな内容で開催していきたいと強く感じました。最後になりますがご協力いただいた皆様、心から御礼申し上げます。